■電力消費、CO2 の大幅削減
GEDC研究会のシミュレーションでは、札幌と東京を比べ、フィルターでろ過される外気を利用した場合は電力消費削減率が69.0%、CO?排出量削減率が64.5%に。さらに、貯蔵した雪による熱交換で作り出す冷気を使った場合は電力消費削減率が89.8%、CO?排出量削減率が89.9%に削減できるとの報告を行っています。
また、北海道は大地震や台風などの大規模な自然災害の発生の可能性が低いほか、雷の発生が少ないことや、広い用地が安価に確保できることなど、次世代データセンターの立地に優位な条件が備わっていると報告しています。
他方、北海道、北海道経済連合会、北海道電力、富士通関連会社、NTT東日本、東京理科大、北海道グリーンエナジーセンター研究会《GEDC》などでつくる「北海道データセンター立地アセスメント委員会」は、昨年十一月に発足以降、冷涼な気候などからデータセンターの適地とされる北海道への誘致を進めるため、立地環境や適地選定の作業を進め、道内工業団地から絞込みを行ってきました。
同委員会は、四月に北海道内の五地域を選定、そのうち石狩湾新港地域を最も高い評価をつけた報告書をまとめました。とくに石狩湾新港地域は、複数の電気通信事業者による通信ルートの確保、電力供給の安定性、冷房に必要な雪の確保、札幌中心部に近い−などで必要条件を満たしていることから、最も高く評価しています。
GEDC研究会は技術分科会を設け、冷熱利用冷房方式の検討作業を進めており、今後は冷房方式の実証実験を行うことも予定しています。また、今夏には首都圏で立地環境などのPRセミナーを開催する予定です。冷熱冷房の活用による空調費の節約、広大な用地の確保などから北海道・石狩湾新港地域に優位性があると位置づけて集中的なPR活動に乗り出す計画です。